師走。
師匠、転びますよ!
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日常生活の順を、支障出る方向に間違った阿呆の藤堂です。
気付いてガチで『馬鹿か俺!』と嘆きました。
という訳で(?)お眠です。
でもこの二つだけ。
朔夜君、お誕生日おめでとう!
しつこくてごめんね、でも愛故にだよ(ザビーか…?
君の月が佳いものでありますように。
そして携帯擬人化。
奈戸さんのところのザキ君を、星ちゃんのところの紅銀君を勝手にお借りしました!
申し訳ないです…、愛だけは溢れてますです(何だ
脚を組み替える。その間に何度も曲げ伸ばしし摩った。
やはり違和感拭えない。
「お?どうかしたのか、飛鳥?」
白髪を揺らし、ザキがカウンターから身を乗り出す。
いつもと違う飛鳥の様子に、不思議そうに首を傾げた。
雨がまた降り出し客足もやはり遠退いて、じゃあ今日はもう店仕舞いだね、と紅銀に笑いかけた。
そうして紅銀にホットミルクティーを振る舞っていれば、ドアベルが些か湿気を含んだ音を立てる。
「よ、飛鳥。」
「いらっしゃい、ザキ君。…ああ、びしょ濡れだね。」
色々と大丈夫かい、と問えば、多分?なんて曖昧な言葉が返って来た。
取り敢えず中にいれ、タオルやらを出し適当に春之丞の浴衣を出してみた。
丈やらはまあどうにでもなるだろう。
それを待っている間、飛鳥は紅銀と真珠ちゃんと他愛もない会話を交わしていた。
ロージーがまた巨大ホールケーキに挑戦していたとか、緑黄にあと一歩のところで負けて悔しいのに新作ゲームに夢中で対戦しないとか。
一緒に出したチョコレートケーキは彼のお気に召したらしく、たまに小さく口元に微笑が浮かんだ。
「ねぇ。」
飛鳥さんと思い出したように真珠を膝に乗せ紅銀が呟いた。
「何かな、紅銀。」
「さっきの、…ザキって人。前に見たことあるよね?」
片方は眼帯に隠されているとはいえ、しっかりと見上げられる。
小動物を思わせるそれは、実に可愛らしい。
「ああ、バレンタインに会ってるね。」
「バレンタイン。」
ああそうか、と首を振った。しかしそれで紅銀の興味は尽きたようでまたチョコレートケーキを突き始める。
「あー…、サンキュ。」
かたんと音を立てたザキは、やる気のない顔に曖昧に笑みを乗せていた。
「やはり雪消のだとあれだな…、おいで。」
色が似合わない訳ではないので、取り敢えず簡単に丈を合わせてみた。
そして緩まないようにと帯を締め直す。
「それで、何を飲むんだ?」
「ん。頼むー、レモネード。」
見た目に反してアルコールに弱いザキが、レモネードを頼む。
それも知っていたように飛鳥は手際良く作っていく。
スツールに腰を下ろしたザキは、ぼんやりとその手を見遣った。
出されたそれに口を付け、他愛もない会話を交わす。
小さくツッコミを入れた紅銀も、しっかりザキは覚えていて何と無く構い倒した。
ふ、と。ザキは気付く。
「お?どうかしたのか、飛鳥?」
カウンターの奥に座りながら脚を組む飛鳥の、膝。
談笑の合間に何度も曲げ伸ばしして摩られる。
「ん?ああ、いや、」
「飛鳥さん?」
紅銀が覗き込む。強張った表情が心配させてしまっていることを知る。
「有難う、大丈夫だよ。ほら最近天気が良くないだろう?だから古傷が痛んで。」
もう年だね、なんて笑ってみせた。
「いやいや、まだまだこれからだって。飛鳥。」
すると冗談めかしてくれるザキと、
「年とか関係ないよ…。大丈夫、飛鳥さん?」
「大丈夫~?」
じっと心配してくれる紅銀と真珠ちゃん。
そんな優しい二人に、あの黒い二人の姉弟を見習わせてやりたい。
その想いは、飛鳥の胸に留めて置くことにしたのだった。
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