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師走。 師匠、転びますよ!
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奈戸殿っ、魔石を有難うございまする!
おかげで今日を乗り越えられました。

コメントを読んだとき、あのキラキラした効果が見えた気がします耀輝です。

えー、日記というか、大きな私信でございます。
奈戸殿宛ての。


「ま」から始まって「き」で終わるもの。
私が所望したのは魔石です(笑)
で、書きたい衝動に駆られたので、お礼代わりにちと書いてみました。
正直、お礼にもなりませんが。

奈戸殿。よろしければどうぞ。
「ま」から始まって「き」で終わるものです。
小政注意報です(笑)



喉がざらざらして、時々痛む。
ちょっとした事で咳が出て、止まらない。
咳をする反動で折角進んでいた書類が駄目になりそうで、政宗は手にした筆を置く。左手で口元を覆うとゆっくり呼吸する。
篭った音で咳が七回。それでも消えない喉の違和感。
「っ、ん…。つかれた。」
今朝から続く咳に体力が持っていかれる。
はぁ。
政宗が浅く溜息を吐くと、障子の向こうから声がかけられた。
聞き慣れた優しい声。

「失礼致します。」
短く言うと、すっと障子が開いて声の主、小十郎が入室してくる。
手には湯呑みの置かれた小さな盆。
「薬をお持ち致しました。…咳は治まりませぬか。」
心配そうに覗き込みながら、薬の小さな包みを開いて政宗に手渡す。
渡されたそれは、喉に引っ掛かり飲みづらい程に粗いものだった。
「Thanks…、小十郎、」
一瞬もの凄く嫌そうな顔をして、けれど薬を口に含む。
こんな粗い散剤は御免な政宗だが、それ以上に咳が嫌で仕方なくて。
小十郎が持ち上げた湯呑みを奪うように、白湯で薬を流し込む。
飲み終えてふと小十郎を見ると、驚いたような、そんな表情をしていた。
Why?
「小十郎?」
どうした、と尋ねる。勿論何もと返された。いつものことだ。
けれどいつもと違う小十郎の行動が。
ずいと盆を横に押しやり、政宗に近付いた。
「政宗様、」
呼ばれ顔を上げれば、すぐそこに小十郎の面。政宗は抱きしめられていた。
「こじゅうろう…?」
小十郎の骨張った手が、政宗の背中を撫でる。優しく、あやすように。
「あまり、無茶はなされるな。小十郎は心配で胃に穴が開きますぞ。」
小十郎の腕は心地良い。昔から思っていたことだった。

「小十郎、暫く、このまま…。」
小さな咳を一つ漏らして、政宗の手は小十郎の背中に添えられた。


甘えたくて仕方ないのも、目の前が滲むのも、きっとしつこい咳のせい。
言い聞かせて、ひとつ。

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