師走。
師匠、転びますよ!
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眠たいものは眠たいんだからしょうがない。
あと30分は暇だしさ…。
眠たいし、さ…。
立っていても眠たいってどういうことなんだろう?
折角なので、携帯ネタ投下。
神崎殿が書かれたものの続きというかなんというか。
この単品でも解る、と思う。
大丈夫、多分。
神崎殿のところの
ロージーちゃんと、阿羽ちゃん(まだ紹介されていないね)
と、飛鳥。
題は、『ミルフィーユの正しい食べ方』
「ここですよ、阿羽ちゃんっ」
右手で店のドアを指し、ロージーは阿羽に振り返る。もう片方の手は繋いだまま。
「鳥さんの、お店。売っているのは羽毛布団?」
首を捻る阿羽に、ロージーは慣れたのかにこりと笑う。
さ、行くです!と手を引いて、準備中の札の下がるドアを開けにかかった。
いかにもな音を立ててドアが開く。
「飛鳥さん、こんにちわです!」
元気のよいロージーの声に、飛鳥はゆっくりと振り向いた。
突然入ってきた者に、驚いた様子もない。
「はい、今日は。ロージー嬢に、そちらは…?」
手にしていたボトルを戻して、カウンターに近付く二人の少女に笑いかける。
「自分のお友達、阿羽ちゃんです!阿羽ちゃん、この人が飛鳥さんですよっ」
「ああ、噂の阿羽嬢だね。今日は、俺は飛鳥、宜しく」
猫帽子の少女、阿羽を見ると目があった。だが直ぐにそらされる。
「瓶がいっぱい、ドレミファソラシド」
歌い出した阿羽の視線を飛鳥とロージーが辿ると、納得。
棚に並べられたボトルは左から、音階のように背の順になっていた。
雪消の仕業か、と苦笑を落としてから、飛鳥はロージーに問い掛ける。
「何かあった?この時間に来てくれるのは珍しいね」
「あっ、そうです!今日は飛鳥さんに聞きたいことが合って来たんです!」
今思い出したというように、ロージーが手を叩く。
少女二人の疑問は一体なんだろうか。
そんなことを考えながら、飛鳥は取り敢えず座りなさいなと促した。
「ミルフィーユの、食べ方…ね」
ロージーと阿羽の前にはオレンジのフレッシュジュースを注いだグラス。
ストローを揺らすと、氷がグラスにぶつかって涼しげな音がする。
「はいですっ、飛鳥さんなら知っているかも、って!」
「パラパラ崩れ、ミルフィーユ。猫さんは一枚ずつ。鳥さんは啄むの?」
反応の仕方はそれぞれだが、飛鳥の答えを待っているらしい。
それが可愛らしくて笑みを零した。
「俺は甘いものあまり食べないから、正直よく解らないな」
顎に手をやり、首を傾げてみる。
本当にケーキを食べる時のマナーなど解らない、が、飛鳥はふと思い出した。
「確か、横に倒してパイを立てるとかって薫子が言っていたような…。俺の記憶が正しけ」
「さすが飛鳥さんです!」
れば。
いつかの記憶を引っ張り出してみると、ロージーが嬉しそうに声を上げた。
正しいかも不安なものでも、挙げたことに意味があるらしい。
直ぐにふむふむと腕を組んで、シュミレーションをしてようだ。
飛鳥は反応のなかった阿羽を見る。
ロージーとは逆に、じっとグラスを見つめていた。動かない。
「…………ぱたり。ドミノみたいに、ミルフィーユ?」
唄のように呟く。答えがお気に召さなかったかと思ったが、そうでもないらしい。
「まぁ、あまり気にしなくていいなら、楽しんで食べるのが1番だと思うけれどね?」
少女達に聞こえただろうか独り言のような飛鳥の言葉は、アイス珈琲に零れた。
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