足りないもの拾い集めても足りなくて

溜息の多い季節です（……お前だけじゃないか）
皆様いかがお過しでしょうか。
眠たいです。凄絶に…。
そして、肩も首も頭も痛いです。


まあ、それは置いといて。
紅葉君とのネタ、出来ましたよ。
たがしかし、紅葉君が紅葉君でない気がしてなりません（ぶっちゃけるな）

満月殿、明らかに可笑しいところがあれば、ツッコミ入れて下さいまし。
チョップでも広辞苑の角でも受け入れまする（笑）
お勉強と修学旅行…とお忙しいようなので、少しでも萌えになりますように（無理だろうよ）



取り敢えず。
身分証明を栞にするのは俺と春之丞くらいだと思う。

覚悟は良い？答えは…、聞かないけど（待て）

「っうわ…！？」
驚いた声と共に、赤銅色が降ってきた。
あまりに綺麗に階段から落ちてきた赤銅色を、春之丞はつい受け止める。
取り敢えず赤銅色自体は受け止めたものの、手にしていた紙袋が零れた。
ざらりと土に擦れる音。

「いたっ、て。あれ？っ！？す、すんませ……」
受け止められたことに気付き、春之丞を見て、硬直。
「………大丈夫か」
一応問うてみる。すると、赤銅色の青年はやっと春之丞に意識を向けた。
「え、あっ、ごめん！」
落ちかけた青年の身体を戻して、春之丞はぶちまけた荷物を拾いにかかる。
紙袋の中身、全て本だが、は派手に散乱していた。
それを見て、青年も慌てて拾うのを手伝ってくれる。
土埃をはらって紙袋にしまう、その作業を繰り返していると、青年が声を上げた。
「冷泉院、春之丞？」
何故名を知っているのかと青年を見れば、手には免許証。
そういえば先程、栞代わりにしたのを思い出す。
「…そうだが」
「俺、夜長紅葉ってんだけど、聞いてない？満月って奴の…」
視線を合わせたまま考えこむ。
…夜長…、満月様。あ。
「……ああ、把握した」
体調は悪くないのに記憶の戻りが最悪なのは春之丞の元の性格だろう。
ひどくゆっくりと頷くのを見ると、紅葉という青年はやっぱり、と笑顔を見せた。



しまい終えた紙袋はずしりと重い。
それを感じさせずに持ち上げた春之丞の視線は、しゃがんだままの紅葉へと注がれた。
「……来るか、家」
かけられた声に、紅葉はきょとんとしている。
こんなことを言われるとは思ってもいなかったらしい。
「………無理に、とは言」
「行く！いや、春之丞さん、むっとしてるし怒ってんのかな、って」
違ったんだ、と笑う紅葉に、春之丞はやはり表情を変えずに行くぞと背を向けた。



からん。
店のドアを開ければ、カウンターに立つ飛鳥。
お帰りと春之丞笑いかけた飛鳥は、直ぐに後ろの人影を見つけた。
「紅葉君、いらっしゃい」
来ることが解っていたかのような飛鳥の声に、紅葉が目を丸くする。
「俺のこと、知って…？」
「勿論だよ。これから宜しく、紅葉君」
いつもの笑みで言うと、紅葉も同じように笑顔を見せた。
どうも春之丞だけ浮いているが、本人も二人も気にしない。

「こちらこそよろしくっ、飛鳥さん！春之丞さんも！」
響いた紅葉の元気な声に、春之丞は視線だけで頷いた。
胸の中でひっそりと笑んで。





おまけ。
「あ、そうだ！俺の髪の色、何色に見えるっ？」
「髪の色？そうだね、…フレアレッドかな？君にぴったりの太陽の色だ」
「そうやって言われるとちょっと恥ずかしいけど…、でも！さすが飛鳥さん！そう、フレアレッドなの、これ」
「…………赤銅色じゃないのか」
「違うよ！フレアレッド！」