師走。
師匠、転びますよ!
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つまり!
ヤマ無し オチ無し イミ無し
ヤオイなそれ!
ヨミちゃんの不可解そうな~の続きを書いていたら、ついそんなものに…。
というか色んな意味でごめんなさいっ!
ヨミちゃんに何さらすんじゃというか、春之丞間違ってんだろってか…。
本当にもうごめんなさい(それしか言ってねえ)
タイトル的には、
『嗚呼、四捨五入して三十のおっさんの戯れなんて』とかどう?
てな訳で土下座で謝罪しながら参ります。
心の広い方と好奇心旺盛な方どうぞ。
昼間でも仄暗い部屋に、それより濃い高さの違うふたつの影。
本を抱えるように持つヨミと、高い棚から本を下ろす春之丞だ。
「何冊見つけてきたんだ…?」
「有っただけ。」
なんてことなさそうだが、二人分とはいえどこから二十冊も見つけてきたのか。
腕に掛かる本という幸せに、ヨミは視線を落とす。
闇色に金の字が映えていたり。
白の革に墨字が鮮やかだったり。
「…向こうで目を通して、読みたいものだけ持ち帰ればいい。」
不意に。本を見つめていたヨミの上に、ぼそりと声が落ちてきた。
顔を上げれば、勿論春之丞の顔が見える。
うん、と頷きかけて何か違和感を覚えた。
何故かじっと見られていて。
身長差のせいか、ヨミと春之丞の視線が合うのは珍しく、何と無く居心地が悪い。
「?何?」
問うと、いや、なんて考えながらの生返事が帰ってくる。
一体何だというのか。
「確か…、"いじめる"のは無しだったな。」
「は?」
覗き込んでくる視線を受け止めて、ヨミは首を傾げた。
思ったより至近距離に春之丞の顔がある。
「…だが、こういう戯れは、」
春之丞の右手は本棚、ヨミの胸の位置に滑らされたままだが、左手が、髪の筋に触れる。
動かず、ヨミが不思議そうにする。
そんな彼女を見つめる目は眇られ。
「…………止めた。」
呟きと共に影が離れ、遠くなった春之丞をヨミは見上げる。
やはり変な奴だ、とヨミも思っただろう。
「どうしたんだ、春之丞?」
首を振ることで答えて、それを持って先に戻れ、と促す。
あらゆる言動が不可解だと語るヨミの体を、店の方にくるりと向けて背を押した。
ヨミのあの表情を思うと、多少遊び過ぎたやも知れない。
そんなことをぼんやり思う。
それよりも男として見られていないかもしれない危機感を感じた方がいいと思うような神経は春之丞は持っていない。
ヨミの姿が見えなくなってから大きく溜息を吐いた。
「…待たせ、た。」
店へと続くドアを開け、春之丞は固まった。
グラスを持ち上げた飛鳥と、本から顔を上げたクロが同じタイミングで視線を向けてきたからだ。
ヨミはというと、本に夢中らしく顔も上げない。
「春之丞…。」
「何だ。」
運んできた本を美女の間に置いて問う。
それに答えたのは隣にいた飛鳥だった。
「お前、ヨミ君をいじめたのじゃなかろうね?」
組んでいた腕を持ち上げて、遠視用の眼鏡を押し上げる。
一拍。
「いや、いじめてない。」
口説いてみようかと思わなかったでもないが。
言えば面倒なのは解るので飲み込む。
お前達の所為ではないのか。なんて嘯いて、疑惑の残る目から逃げる為に黒い表紙に手を伸ばした。
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